(記事作成:2013年07月12日、全面見直し:2026年09月25日)
事件の概要
| No | 項目 | 内容 |
| 1 | 発生日時 | |
| 2 | 場所 | 2013年07月11日 8:05頃 血を流して倒れている3人を発見 |
| 3 | 被害者 | 札幌市南区の2階建てアパート1階の一室 |
| 4 | 加害者 | この部屋に住む父親(66)と母親(66)、長男(33) |
| 5 | 概要 | この家に住む次男(31) |
| 次男が自宅で父親、母親と長男を金属バットで殴り死なせた事件ですが、次男はその後の精神鑑定で心神喪失と判断され、札幌地検が不起訴処分とした。 |
時系列
| 2013年 | 7/10 | 14:50頃 | 札幌中央署に相談に相談「おなかが痛い」と訴える。 |
| 7/11 | 7:55 | 意味不明な通報、札幌南署員が駆けつける | |
| 8:05頃 | 3人が頭から血を流して倒れているのを札幌南署員が発見 | ||
| その後 | 殺人未遂容疑で次男(31)を現行犯逮捕 | ||
| その後 | 3人の死亡が確認される。 | ||
| その後 | 殺人容疑に切り替えて捜査 | ||
| 10/31 | 鑑定の結果、心神喪失で刑事責任を問えないとして、不起訴処分 | ||
| 札幌地裁は同日、心神喪失者等医療観察法に基づき、男の鑑定入院命令を出した。 |
報道情報
| 2013年7月12日まで | 7月11日(木)午前8時5分ごろ、札幌市南区の2階建てアパート1階の一室で、60代の男女と30代男性の計3人が頭から血を流して倒れているのを、北海道警札幌南署員が見つける事件が起きている。 |
| 3人は間もなく死亡が確認された。家の中にいた無職の次男(31)が3人を金属バットで殴ったと認めたため、殺人未遂容疑で現行犯逮捕したとの事。 | |
| 道警によると、死亡したのは父親(66)と母親(66)、長男(33)の3人とみられ、遺体は居間で見つかったとの事。 | |
| 近くに血の付いた金属バットがあったとの事。 | |
| 次男は「今は何も話したくない。放っといてほしい」と話しているとのこと。 | |
| 午前7時55分ごろ、この家から男性の声で意味不明の通報があり、札幌南署員が駆けつけて事件を発見したとの事。一家は4人暮らし。 | |
| 次男は事件前日に札幌中央署に相談に訪れ「家族はみんな元気だが、自分は体調が悪い。おなかが痛い」と訴えたとの事。 | |
| 同署は殺害を連想させるような言動はなかったが、前日から精神的に不安定な状態だったとみているとの事。 | |
| 次男が訪れたのは10日午後2時50分ごろで、警務課員が約30分間対応したとのこと。 | |
| 精神科病院にかかっていることを話し、受診している二つの精神科病院の名前を挙げた。「どちらに行けばよいか」と話したため、自分に合う方へ行くように勧めたとの事。 | |
| 道警は「対応に問題はなかった」としているとの事。 | |
| 2013年11月1日まで | 家族3人を殺害した事件で逮捕された無職の男(32)について、札幌地検は10月31日、鑑定の結果、心神喪失で刑事責任を問えないとして、不起訴処分とした。札幌地裁は同日、心神喪失者等医療観察法に基づき、男の鑑定入院命令を出した。 |
ASKAの感想と考察
※以下には、報道された情報をもとにしたASKAの推測・考察が含まれています。事実と推測を分けて記載するよう努めていますが、後半には私自身の考察が含まれます。
事実関係を整理すると(当時の報道による)
1)父親(66)と母親(66)、長男(33)が次男(31)に金属バットで殴られて死亡。
2)駆けつけた警察官に次男が金属バットで3人を殴ったと認めた。
3)2)の結果、次男が殺人未遂で現行犯逮捕される。その後、殺人罪で捜査。
4)事件当時、次男は精神科の病院に通院していた。
5)精神鑑定の結果、心神喪失と判断され、札幌地検が不起訴処分とした。
6)地裁は心神喪失者等医療観察法に基づき、男の鑑定入院命令を出した。
5)で札幌地検はそれまでに実施した精神鑑定の結果、心神喪失と判断され、札幌地検が不起訴処分とした。
そして裁判所の心神喪失者等医療観察法に基づく、鑑定入院命令とは
「重大な他害行為(殺人や放火など)を行った対象者に対し、医療観察法による医療(入院や通院)が必要かどうかを判断するために、指定入院医療機関などへ強制的に入院させて精神鑑定等を行うよう裁判所が命じる処分です」
と言う事なので、6)は札幌地方裁判所が医療観察法による医療が必要かどうか判断する為に、強制的に入院させて精神鑑定等を行う段階です。
そして、私が確認できた公開報道の範囲では、その後の処遇は確認できませんでした。
少なくとも心神喪失を理由とする不起訴処分である以上、殺人罪について刑事公判が開かれ、刑罰が科されるという刑事手続には進みません。ただし、医療観察法に基づく審判手続は別に行われます。
この事件を防ぐために考えられた対応
A) 被害者側の防止策
基本的に事前に危険性を予見できるのか?と言うのがポイントになりますよね。
A-1) 普段の生活状態を観察する。
精神科に通院していることだけをもって危険性があると考えるべきではありませんが、もし暴力的な言動や具体的な他害の兆候などがあれば、医師などに相談することは一つの対応策になります。
しかし、これをしたからと言って、この事件が防げた保証はありません。
そもそも、兆候が無い可能性もありますね。
B) 加害者側の防止策
本人は前日に体調の変化を感じて、札幌中央署に相談しています。
そして、自分に合う方を勧められています。
ただし、この後、通院したかについては報道されていません。
なので、ここで場合分けが発生します。
B-1) この後、通院している場合。
警察に相談したという行動自体は、少なくとも問題を抱えた本人が助けを求めようとした行動と評価できます。ただし、それが事件を防ぐ上で十分だったかどうかは判断できません。
B-2) この後、通院していない場合。
体調の変化を感じて、警察署に相談していながら、もし実際にその後受診していなかったのであれば、医療機関につながることが一つの対応策になった可能性はあります。ただし、それによって事件を防げたかは分かりません。
C) 警察署の対応
警察署のコメントにもありますが、この「自分にあう病院を勧めた」という対応自体について、当時報道された情報だけから問題があったと判断することはできません。
ただし、それ以上の対応ができなかったのか?と言うところが疑問ではありますね。
少なくとも、単に本人から「病院を紹介してほしい」と相談されたというだけで、警察が本人を強制的に精神科へ入院させられるわけではありません。ただし、当時の具体的な相談内容や本人の状態、危険性の程度によって、警察がどのような対応を取り得たのかは、当時の制度と事実関係を確認しないと判断できないですね。
なので、ここからは可能性の話として受け止めて欲しいのですが
C-1) 病院まで送る。
忙しい業務の中、これができるとは思いませんが、病院まで同行するなどの支援が可能だったとすれば、医療につながる可能性を高めることはできたかもしれません。しかし、それが実際に可能だったのか、また本人が受診した場合にどのような措置が取られたのかは分かりません。
C-2) 家族に連絡する。
本人の同意なく家族へどこまで情報提供できたのかについては、当時の具体的な状況や法的根拠を確認する必要があります。
これができていれば、家族が病院へ送る事ができた可能性があります。
これもB-2)で書きましたが、病院を受診したからと言って、この事件が防げたとは言い切れません。
ただ、この情報を家族が入手していれば、普段にも増して次男の言動に注意することができた可能性はありますね。
まとめ
結局のところ、何をしたからと言って、この事件を防ぐ事ができたとは言い切れない状態です。
亡くなった3名のご冥福をお祈りします。

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