北海道札幌市ススキノ首なし殺人事件その7(母親の一審判決)

(記事作成:2026年01月24日)
***長文注意です***

公判までの報道情報(2024年02月 まで)

・検察は、殺害の実行犯とされる札幌市厚別区の無職、女性被告(30)を殺人と死体損壊などの罪で、6日起訴した。
・父親で精神科医の男性被告(60)については、殺人ほう助と死体損壊ほう助などの罪で起訴。
(被告(30)が自宅に持ち帰った頭部の一部を損壊する様子をビデオで撮影するなどした)
・母親の女性被告(61)は、死体損壊ほう助などの罪で起訴。
(頭部を自宅に隠すことや被告(30)に頼まれたビデオの撮影を男性被告(60)に依頼した)

母親の公判の報道情報

初公判(2024年06月04日)

<注>匿名にしている為、表現がわかりにくいです。
女性被告(30):実行犯の女性、つまり娘です。
女性被告(61):娘と同居する母親
男性被告(60):娘と同居する精神科医の父親

1)被告(61)は容疑を泣きながら否認。
頭部について
私が頭部の存在に気づいたのは、家に持ち込まれたあとでした。
遺体を遺棄することを容認したのは違います。既に浴室に置かれていました。
娘に置いていいとか、何も言うことができませんでした。
娘に隠したいと言われていません。私も隠そうと思ったことはないです。

ビデオ撮影について
娘から撮影を求められましたが、具体的な内容を言われていないので、何を撮影するのかわかりませんでした。

2)検察側は冒頭陳述で「一人娘の女性被告(30)を溺愛していた。女性被告(30)は家庭の圧倒的上位者で、両親は奴隷のように従っていた」と指摘。女性被告(30)が事件の約1カ月前に男性とホテルを訪れた際にトラブルとなり、殺害に至ったとした上で、女性被告(61)については「女性被告(30)が死体の頭部を(自宅に)隠匿していると知ったが、容認。女性被告(30)からビデオカメラで死体損壊の撮影を頼まれ(夫の)男性被告(60)に依頼した」と述べたとのこと。

3)弁護側は、頭部の保管を認識していたと認める一方、「容認する発言は一切していない」と否認。撮影についても「何を撮影するか知らずに男性被告(60)に依頼した」などと無罪を主張したとのこと。

4)冒頭陳述で、家庭内の状況について

・「女性被告(30)は両親に『お嬢さん』と呼ばせ、敬語で接するよう強要していた。両親を奴隷扱いし、父親のことは『ドライバーさん』と呼んでいた」
・自宅が女性被告(30)の所有物で溢れていた、衣類などで足の踏み場も無かった。しかし、両親はそれに触れる事が禁じられていて、片付ける事もできなかった。
・女性被告(61)は2階リビングに残されたわずかなスペースで就寝していた。
・男性被告(61)は近所のインターネットカフェなどで寝泊まりしていた。事件前、インターネットカフェや自宅駐車場に停められた車内で就寝する修被告が目撃されていたとのこと。
・女性被告(30)は18歳の頃から「「私」は死んだ」と言い始め、私の死体に複数の人格が入り込んでいるという”ゾンビ妄想”を発言するようになる。(「私」とは娘の名前です、私の死体に誰かが入っていると言う内容)
・女性被告(30)の体には5~6人の魂が入って、体を借りているだけ」などと言って、自分のことを「ルルー」や「シンシア」などと名乗るようになる。
・女性被告(30)自身が女性被告(30)であるという認識は、10年以上前から現在までないと話していた。
・女性被告(30)は時々、妄想上の恋人(ジェフ・ザ・キラー)との会話を繰り返していた。
・女性被告(30)に交際相手がいたこともなければ、遊びに行くような友人もおらず、そもそもLINEのアカウントも持っていないとのこと。
・女性被告(30)は精神が不安定になると、意味不明な言葉を叫び、自宅の壁を殴って穴を空けたり、さらに自傷行為や自殺未遂をしてしまうとのこと。
・父親は女性被告(30)の妄想を肯定も否定もしないというスタンス、母親は女性被告(30)の妄想を否定しないよう細心の注意を払って生活していたとのこと。
・女性被告(30)は一人では外出できない為、ゲームセンターやドン・キホーテなどに行きたいと言ったときには、両親が送迎もしていた。
・父親は出動前あるいは退勤後必ず自宅によって、妻に頼まれた買い物をしたり、妻の作った食事を受け取るとのこと。
・2018年ぐらいには女性被告(30)の通院先から多重人格や統合失調症の要素を満たすと診断されていた。ただし、もろもろの事情で診断名は「躁鬱病」とした。
・その後、通院しなくなった為、精神科医である父親が薬を処方していた。(抗うつ薬)
・被害者男性と女性被告(30)との関係は
カラオケのつもりがホテルに誘われて、避妊せずに性行為を行われ、それを指摘するとごまかした。ホテルを出た後、父親とクリニックに行き、アフターピルを処方してもらった。
ただし、性行為自体には同意していたとのこと。
・その後、女性被告(30)は被害者男性をSMプレイをする為に探し、父親とSMプレイの練習などもした。母親は合うのを止めたかったが、止められなかった。
・この為、両親が被害者男性と連絡を取り、合わないように頼んだが、被害者男性は拒否した。
この為、仕方なく、娘が嫌がる事をしないように被害者男性に頼んだ。
・両親は事件後に自宅の浴室に被害者が頭部があるのを見せられる。
・作品としてガラス瓶に入れていた。
・内容は聞いてないが動画撮影を娘に依頼されるが、断り、父親が撮影した。

第2回公判(2024年07月01日)

*証拠調べ*
<検察側>

・女性被告(30)の手帳
被害男性について「間違ったやつに連れて行かれた」「自分で始末する」などと記載していた。
・被害者の妻の供述調書
「夫の49日は何も法要できていない。長い夢をみているようです。何があったか知りたい。私にとってはよい夫で、子どもにとってはよい父でした。家族を大事にしてくれる夫で、感謝しきれない。夫があやまったことをしたのであれば代わりに謝りたい、なぜ殺されることになったのか知りたい」などと、話したとのこと。

<弁護側>

<証人尋問>
男性被告(60)
・「言葉では言いつくせない。取り返しのつかないことをした。本当に申し訳ない」と遺族に謝罪した。
Q:首がある事はいつしった?
「女性被告(30)が被害者の頭部を持っているのを知ったのは自宅に戻ったあと。首を拾ったと言われた」と述べた。
Q:なぜ警察に通報しなかった?
通報する事は病んだ娘を裏切る行為になり、更に娘を追い込む事になるから。そして、自家用車で現場に行っているので、すぐに逮捕されると思っていた。
Q:妻からの動画撮影の依頼について
正確な事は覚えていない。
Q:娘が殺害について何か聞いたか?
聞いた事はありません。本人が言わないのにこちらから聞く事は考えられない。
Q:娘の暴力について
娘の暴力が怖いと思った事は無いが、娘の心がこれ以上壊れないように心がけた。
Q:娘の多重人格について
10年前から娘の名前を呼ぶと「その子は死んだ。その名前でよばないで」と答えるようになった。基本的に「シンシア」と名乗っていた。
Q:娘について
自傷行為やオーバードーズを繰り返していた。本人を追い詰めないようにするのが望ましいと思っていた。
娘は今は1人で近所のコンビニに行く事もできない。
Q:娘の精神科への措置入院について
検討した時期もあったが、難しかった。そもそも要件を満たしていない。他害などないし、自傷も持続性がなかったので、切迫していない。本人が望まない入院は、現在の精神科のガイドラインに沿っていない。
Q:娘の言う事を断った事もあったのか?
娘が生きているのがつらい、首を絞めて殺してくれと言われ取り乱し半泣きだった時に「できません」と断った。

第3回後半(2024年08月30日)

<検察側>

・男性被告(60)は事件前、「漂白剤で指紋は消せる?」と検索していたほか、ネット通販などで刃物を複数購入していたとのこと。
・女性被告(61)が事件後「そういえば車のGPS履歴が残りますか」と送迎役とされる男性被告(60)に通信アプリLINEで送信し、のちに削除したとのこと。
・女性被告(61)が「シカがいるか、クラブに潜入捜査することは可能か」と男性被告(60)にLINEを送信した履歴。シカと入力する前に「獲物」と入力し取り消した記録もあったとのこと。
・女性被告(30)が首を切断するシーンがある映画をレンタルしていた。
・男性被告(60)が「スーツケース耐荷重100キロ」とネット検索した履歴。

第4回公判(2024年10月01日)

<弁護側の証人尋問:男性被告(60)>

・男性被告(60)が録音していた音声データ(6時間以上)の一部の抜粋
録音は2020年10月3日から2023年5月28日(殺害された男性と初めてあった日)までのもの
・女性被告(30)は「シンシア」として発言して、「妹」と呼ぶのには女性被告(30)を指している。
・2020年10月6日 毎晩、私はお前を殺したい(原文は英語)
・2023年1月22日 私は復讐する。私は全員殺す。(原文は英語)
・2023年1月22日 妹を殺してX、その責任も取らないくせに、とっととやんなさいよ!とっと売れやそのクソアマを!いつ売るの!?
・お前がさあ、妹を殺してさあ、唯一の、唯一の見方だった私が妹と一緒にいたのにさあ。
・ちょっとでも力をつけて、てめえらを殺してやる。ずっとそう思って生き延びたんだよ!私の妹と私は!
・2023年6月1日 油断するし、相手は自分の意のままに酔ってるから、意のままに動かせてるって思わせるの。そう思わせといて、でも、主導権はこっちが握っておく。それがプレイの基本なの
・もうなんか、無の気持ちだし、こうなったらもうどこまで私、ビッチのフリできるか、なんか我慢比べだわと思った。でも、まさかそんなことした子には見えないでしょ

<5月28日16時頃、車に戻った娘とのやりとりのメモ>
Q.男性被告(60)が娘と話した内容について
「車に戻ってきたら、娘が『カラオケに行くと思っていたらホテルに連れていかれた』『酔った勢いでいわゆる「お持ち帰り」にされた』『社会勉強かな、と思って良しとした』『相手から性行為の要請があったので、撮影されたくないから携帯電話をオフにして、「避妊具付けたらいいよ」といってやった』『4~5回やった』『最後にやったときに、途中でゴムを外された。約束破ったでしょといったら、被害男性はごまかしていて、最後は「ごめん」と言って逃げるように帰った』と話していたことを、忘れないようにメモしたもの」と答えた。

<メモについての質問>

Q:避妊具無しでの性行為を女性被告(30)はどう思っていると男性被告(60)は感じたか?
「妊娠した」「性感染症に感染した」と心配していた。
Q:女性被告(30)は泣いていたか?
「それはないです」
Q:4~5日後、女性被告(30)は被害男性とどう関わろうとしていたか?
「直接謝ってほしい」と言い出した。「どうしてそういうことをしたのか、直接会って謝ってもらいたい」と言っていた。
Q:男性被告(60)は被害男性にどうなってほしかったか?
「問いただして謝れば修復可能かと。謝らなければそれまでだなと思っていた」
Q:男性被告(60)はどういう気持ちで被害男性を探した?
「見つからなければいいなと、本人の気持ちがもういいやとなってくれればと」
Q:SMの練習についてどちらから言いはじめた?
娘からです。「被害男性との約束の後、娘が「前回は私が攻められたから今回は私が攻める」と言って練習した」
Q:SMの練習はどのくらいの時間?
「長くて1~2分だったと思います」
「正座で後ろ手に手錠をかけてアイマスクをしている想定で、後ろから娘が、迫ってきて、あちこち触ったり。どう?って聞いたりなど、やり取りしたような記憶がある」
Q:漂白剤について検索したのはなぜか?
「娘からドール(人形)の皮脂汚れを落とすのに漂白剤が使えるか聞かれた」
Q:大きめの黒いスーツケースを調べているが、何に使うものだと思ったか?
「娘から箱のドールをまとめて、一気に持ち運びするのにいいのではないか、それに適したものが欲しいと言われた」
Q:LINEのトーク履歴で被害男性に関するものは削除しているのはなぜか?
「被害男性に関連したやり取りが目に入るのが不快だった」
Q:7月2日自宅に戻った時カーナビについて何かあったか?
「タイミングは定かじゃないが、カーナビの履歴を消してほしいと娘に言われた」
Q:ビデオ撮影について損壊する様子を撮影して欲しいと言われたか?
「中身は言わずに撮影してと言われた」
Q:どの時点で損壊すると認識した。
「浴室までカメラを持って行って、損壊した後のビンなどを見せられて、まだ頭部に目が残っていると言われたときに損壊するのかなと。浴室に行くまでは分からなかった」

<検察側証人尋問:女性被告(61)の兄>
Q:被告人家族3人がそろっているのを最後に見たのは?
女性被告(30)が幼稚園の時、「お味噌汁の椀をぶちまけた」「味噌汁が天井に着くくらい飛び散った」この時、両親(女性被告(61)と男性被告(60))はあまり咎めなかった」

第5回公判(2024年11月05日)

<弁護側証拠調べ>
・押収した24本のナイフや包丁のうち、6本は瑠奈被告が初めて被害者と会った日より2年以上前の2020年12月9日に購入したとする証拠を提出したとのこと。

・女性被告(30)が使用していたとみられるノートパソコンから「千葉バラバラ女性遺体」などといった過去に千葉県などで起きた切断事件の検索履歴があった証拠が提出された。

・事件の約3年前、女性被告(30)のスマートフォンには2020年7月にあるサイトでSMグッズを購入していたことが分かるメールが残っていた。

第6回公判(2024年11月20日)

<検察側の反対尋問:男性被告(60)>

Q:コンビニで氷を8袋かったか?
何袋かは覚えていない。
Q:遺体が氷に覆われていたのを見たか?
そのあたりのことは良く覚えていない
Q:事件の事を知っても通報しなかった理由は?
娘は私のことを親として認識していないが、身近に普段接している人から(警察に)突き出されたということはできない」、「長年、娘を育ててきた親としてはそれだけはできないという気持ちでした」。
女性被告(61)の供述調書
「娘がおじさんの頭を持ってきた。現実感がなかった」、「少なくとも娘の行動を否定しようとはしていない。通報しようと全然思わなかった。娘を守りたかったんだと思います」。

第7回公判(2024年12月12日)

<弁護側被告人質問>
「取り返しのつかないことになった。深くお詫び申し上げたい」と遺族に謝罪したとのこと。

Q:娘の名前を呼べなくなったのは何歳頃か?
19~20歳にかけてのこと。
私の中で一つ後悔しているのは単位制の高校で同級生が次々と卒業していくが、娘は単位が足りなくて卒業できなかった。そのときに口に出してしまった「どうしてできないのだろう」本当にできないと思って言ったのではなく娘は本当はちゃんとできるんじゃないかと思ったから、それをおそらく娘に聞かれていた。ものすごく後悔している。そこから距離を置かれている。
Q:どんな名前が出てきた?
シンシア、ルル、ベイビー、名前忘れたけど男性の人格が現れて、しゃべり方も違った。シンシアとかに戻った時に、あれは怖い人だとか言われた。
Q:各人格は違うのか?
シンシアは姉でリーダー、娘を愛している。何かあったら助けると思っていた。ルル、ベイビー年下の感じ、甘える感じだったと思う。娘とは違う。そばに来て幼い感じで話していて、昔の娘が戻ってきたと思って話すと、シンシアが戻ってきてお母さんじゃないと言ったりした。ルルもお母さんとは呼ばない。
Q:人格は頻繁に変わるのか?
最初は目まぐるしく変わった。怒ったのはシンシアだと思う。最初のころは間違うと、不安定になることがあったから、名前で呼ばないですませられる方法はないかと思って、私は兄から一時期お嬢さんと呼ばれていたとこがあったので、お嬢さんなら間違っても嫌じゃないと思って、娘をお嬢さんと呼んだ。
私に対して父親をドライバーとかドライバーさんと呼んでいた。出かけるときに父親に「彼女は夜が弱いから置いておこう」とか父親に話していた。彼女を英語で「She」と言っていたので、私のことは「She」と言っていたと思った。
Q:夫とゾンビはどうするつもりだった?(ゾンビとは多重人のこと)
対策はしてないが、ゾンビを否定するのは良くないというのは、共通認識だったと思う。
Q:自殺未遂はどういうものだったのか?
18歳までに手首を切ることなどはあったけど、20歳の前夜に、カフェインの錠剤を飲んで救急車を呼ぶほど具合が悪くなった。ひどい自殺未遂だったとのこと。
家に娘に言われて買った太いロープがあったが、それで首を吊ったんだけど、するっとほどけて死ねなかったと聞いた本当に危なかった。ほどけてなかったら死んでいたと思った。
Q:妄想の恋人「ジェフ」とは?
娘は、『ジェフ』という人格に頼っていたと話し、「『ジェフ』が助けに来ないとか、不安定なまま起きてくることも。怒りがさらに怒りを呼ぶ。過呼吸を起こした」「『ジェフ』という人格は、シンシアの恋人。(娘が)どんどん好きになっていって、ジェフなしではいられない。ナイフ使いが得意という認識。ピンチの時は助けに来てくれる」「『ジェフ』は、『ひどい目に遭ったのに助けに来てくれなかった』一晩中叫んでいたこともあったとのこと。

第8回公判(2025年02月07日、インフルエンザの為延期になった)

<被告人質問>

<検察側>Q:暴力団関係者というストーリーを作って脅してまで、被害者と会わせたくなかったのか?
A:5月の最初の出会いのときに瑠奈にされたことが心配で。娘はその後、再会できることを楽しみにしていたけど、密室でまた二人、エスカレートしたらどうなるのか。また意に反したことをされないか、という心配をしていた。
<検察側>Q:娘には被害者と再び会わないようにと説得はしていないのか?
娘は見つかるはずがない人を見つけ出して、仲直りをして、関係を修復して、(事件当日の)再会の約束をしてきた。引きこもりでお友達もいないような娘。その成功体験を無下にして、やめてとは言えなかったとのこと。
<検察側>Q:娘が被害者のことを探そうとしていることをどう思っていた?
「(会って)謝ってほしい」というトーンに変わっていったので、謝ってもらえたら娘の気持ちも収まるかなと思っていた。最初に会った5月にされたこと、私は娘から聞いていたので本当に謝ってもらえるのか。「できればそのような人とは会わないでほしい」とは思っていたとのこと。
<検察側>Q:事件当日に自宅を出発する前に、被告から「車のGPS記録は残りますか?」という趣旨のラインが男性被告(60)に送られているのを覚えていますか?
A:教えて頂いて分かった。娘に言われたことをそのまま送ったんだと思う。
<検察側>Q:なぜ娘はGPSを気にしていたのか?
A:いや、(心当たりは)ありません。
<裁判長>Q:娘は6月18日に(被害者と)仲直りをして7月に会うことになった。その間、あなたは2人が次にすることはSMプレイをすることだと思っていた?
A:娘が「前は好きなようにされたので、今度は私が好きにさせてもらう」と。娘の口からSMのような言葉が出ていたんだと思います。
<裁判長>Q:娘との関係を裏切りたくなかったと言っていた。刑事責任は置いておいて、その対応について今、どう思っているか?
A:そのときはそれしかできなかったが、被害者やご家族の気持ちを考えると、私が任意の取り調べに連れていかれるまでの間、「世界が崩れ落ちる」「地獄が目の前にある」などと思っていたことについて、被害者のご家族はそれ以上の気持ちだったはず。私が何もできなかったことは、決して正しかったとは思いません。
<裁判長>Q:これから先はどう暮らしていくのか?
A:この先どうなるのか、全く分からないが、まず第一はご家族の方々に夫とともに被害弁償をさせて頂きたい。
それから娘を支えていかなければならないとも思いますし、きちんと受け止めて、一生背負って暮らしていかなければならないと思っていますとのこと。

論告求刑公判(2025年03月17日)

<検察側論告>

・検察は死体遺棄ほう助の罪については「女性被告(30)による被害者殺害の計画を知っていた。2023年7月3日までに女性被告(30)が頭部を持ってきたことを認識していた。そして以後容認した」と指摘した。
・さらに、死体損壊ほう助の罪については「女性被告(30)が頭部を損壊することを容認し、そのうえで男性被告(60)にビデオ撮影を依頼した」と述べ、被告に懲役1年6か月を求刑した。

<被告人最終陳述>
「ご遺族のことを考えると本当に申し訳なく心より深くお詫び申し上げます」
事件が起きてから逮捕されるまでの間、通報することをせず生活を続けてしまい、被害者をさらに傷つけることになりました。ご遺族のことを考えると本当に申し訳なく心より深くお詫び申し上げます。

また、世間のみなさんを不安な気持ちにさせてしまい本当に申し訳ありません。今後は親としての責任を夫と共に生涯をかけて果たしていきたいです。と述べたとのこと。

判決公判(2025年05月07日)

判決は懲役1年2か月、執行猶予3年(求刑:1年6ヶ月)の有罪判決
札幌地裁は、被告について「『すごいね』などと積極的に死体遺棄を肯定する発言をして、女性被告(30)の心理を強めた」と指摘した。

そのうえで「男性被告(60)に比べれば犯行を促進した程度は少ない」などとして懲役1年2か月、執行猶予3年の有罪判決を言い渡したとのこと。

弁護側は即日控訴

事実誤認や法令解釈の点に対する不服として即日控訴した。

ASKAの考察

長かった公判が終わりましたね。
かいつまんでまとめると
1)母親は死体損壊ほう助で起訴されました。
2)頭部が家にある事を知っていたのに、通報しなかった。「すごいね」などと娘に声を掛けていた。
3)判決としては、母親の言動が娘の遺体損壊、遺棄について肯定する事になっているとして、懲役1年2か月、執行猶予3年(求刑:1年6ヶ月)の有罪判決とした。ただし、父親に比べて犯行を促進した程度は低いと言う事ですね。

まー弁護側の主張はちょっと難しかったかもしれませんね。
問題はそれよりも、娘の多重人格ですね。
犯罪自体は許される事ではないが、この両親については、同情する点はありますね。
多重人格の症状が10年間続く、その日常での生活は想像を絶するストレスだったと思います。
普通だったら、経済的に許されるなら入院させるところだと思います。
お金がなければ、座敷牢と言う事になるのかな?(実際、それで事件になっているケースもあります)

この事件では、父親が優秀な精神科医であった事と、そして一人娘への愛情でこのような、家庭内での療養になったんでしょうね。
その結果の是非は専門家でない私には分からないけれど、本人の生命に関わる事以外は肯定してしまったのは、今となっては間違った対応だったのかな?と思いますね。(父親は犯罪はダメと証言してましたけど)
ある程度、制限をつけてこれ以上は無理と言うラインを決めておくべきだったのでは?と思います。
その結果、家庭内で娘は女王様になってしまった。それがこの事件の遠因なんじゃないでしょうか?

なので、この事件を防ぐには、もっと早い時期の治療の決断が必要だったのだと思います。
父親は本人が望まないのでそうしたくなかったと言う事なんでしょうが・・・・

他には、被害者は事前に父親から「合わないで欲しい」と電話で依頼されていたんですよね。
まー殺されるとは思わなかったのでしょうが、これを拒否して合って、被害者になってしまった。生死を分ける判断が意外に軽い物だったのが残念ですね。
ただ、父親は統合失調症と多重人格の要素を満たすと報告されていたので、暴力の危険性があるとは考えなかったのかな?
わが家の母はビョーキです」とか読むと、発作が起こるとかなり危険なイメージがあるんですよね。
危険性が予見できれば「暴力を振るわれたり、刺されたりするかもしれない」と警告する事もできたかもしれないですよね。公判での証言で「動物を殺したりしていない」と言っているので、このあたりの危険性は無いと言う判断だったのかもしれません。

いずれにせよ、「家族の愛」と「冷静な判断」では、「家族の愛」の方が強いと言う事なのかもしれませんね。

最後に、女性被告(30)の公判日程がどうなるのか?気になります。
もしかすると、病状や精神鑑定の内容によっては、公判停止とか、福祉の方向に進む可能性もありますね。
公判で各人格の証言など聞いてみたいですけどね。多分、日本で初めての裁判になると思います。
北海道札幌市ススキノ首なし殺人事件その6(ASKAの妄想)で妄想した以上の、真性の「解離性同一性障害」だったのには驚きました。

参考リンク

北海道札幌市ススキノ首なし殺人事件その6(ASKAの妄想)
北海道札幌市ススキノ首なし殺人事件その8(父親の控訴審判決)

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