(記事作成:2017年02月22日、内容見直し:2026年01月20日、その6と統合して、その6は欠番)
被害者の代理人弁護士が記者会見
初公判に先立ち昨年12月16日被害者の状況を代理人弁護士が記者会見している。
被害者は9月初旬に退院したが、現在も治療中。顔や首、手、腕に傷があり、今後、目立たないようにする手術を受ける予定との事。
被害者は、刺されたときの大量出血によって脳梗塞になり、左目の視野が狭まっている。また、右手の動きが悪く、右足の親指は動かない。
また、医師からは中度~強度のPTSDに該当するのではないかと言われているとの事。
被害者は「男の人がいると恐い、逃げられない空間が恐い」と話しており、付き添いなしでは公共交通機関を利用することができない状況との事。
今後の芸能活動については、「いまは、考えられる状況ではない」と話しているとの事。
初公判(2017年02月20日)
| ・裁判は20日午前10時から始まり、被告(28)は上下黒のスーツ姿で、逮捕時よりもやせた印象だった。 |
| ・被告は、芸能活動をしていた被害者の首や胸などをナイフで刺して殺害しようとした罪に問われている。裁判で、裁判長から起訴内容について「違っているところはありませんか」とたずねられると「いえ、ありません」と答えたとの事。 |
| ・検察側は冒頭陳述で、「被害者に贈った腕時計と本3冊を返送されたことなどに恨みを募らせ、『死ねっ』と言いながら、被害者が動かなくなるまで刺し続けた。残忍性が高く、殺意は強固なものだった」と指摘したとの事。 被告は被害者を何度も刺しながら、「死ね、死ね、死ね」と繰り返したと指摘されたが、表情を変えることはなかったとの事。 事件現場では最初に被害者の右腹部を刺した後、左腕を首に巻き付けさらに胸部を複数回刺したという。大量の出血で倒れ込んだ被害者の背中にさらに複数回ナイフを振り下ろしたと説明されたとの事。 |
| ・弁護側は「計画的で強固な殺意はなく、突発的なものだった」と主張したとの事。 弁護側は事件当日、駅で被害者を見つけて話し掛けたが無視され、衝動的に刺したと説明。自分で119番通報もしており「計画性はない」と訴えたが、ナイフは事件6日前に通信販売で購入していたとの事。 |
| ・被害者の供述調書を検察官が読み上げ「あと少しで死ぬところだった。犯人は許せない」 |
| ・調書で、被害者は被告(28)から結婚を迫られ、ブログに「ストーカー的志向です」と書き込まれたとし、「気持ち悪いから、怖いと感じるようになった」と恐怖を説明。 被告に対し「死んでしまってほしい。そうでないなら一生刑務所に入っていてほしい」と憤りをあらわにしたとの事。 他には「事件で顔に傷が残り、もう女優は無理だと思う。歌だけは奪われたくないと考え、リハビリを続けている。悔しくてたまらない」 |
| ・被告は平成26年ごろに雑誌で被害者を知り、被害者が出演した舞台で花束などを贈るようになった。被害者のブログや短文投稿サイト「ツイッター」に頻繁にコメントを書き込んでいた「プレゼントされた腕時計と本は所属事務所の方針もあって受け取ったが、気持ち悪かった。私は何度もはっきりと『交際や結婚は無理です』と意思表示をしたが、聞き入れなかった」との事。 |
| ・被告はその後も「諦めない。僕はしつこい」「憎んでほしい。愛している」「拉致監禁とか起こらないといいけど」「不必要なら本と時計を返してほしい」などとコメント。被害者は恐怖を感じ、所属事務所に届いた年賀状に記載されていた被告の自宅住所に時計と本を送り返した。警察にも相談し、対応した警視庁武蔵野署から「小金井市でのイベントの日を教えてほしい。何かあればすぐ駆けつけるから通報を」と伝えられていた。 |
| ・事件当日、被告は駅で被害者を待ち伏せし、被害者の横を歩きながら「話がある」と述べた。被害者が「話はできない」と答え、通報しようとした瞬間、刺されたとの事。 |
| ・被害者は「事件で普通の日常が全く変わってしまった。大好きだった演技や歌、ギターも後遺症で続けられるか分からない。出所したら今度こそ殺しにくるのではと思ってしまう。ずっと刑務所に入れておいてほしい」と述べたとのこと。 |
第2回公判(2017年02月21日)
注意)以後の第X回のXについては、間違っているかもしれません。
| <証人尋問> |
| ・犯行を目撃した女性が出廷し、「被告は常軌を逸していた」「野生の動物が獲物を仕留めているようにしか見えなかった」と当時の様子を証言したとの事。 |
| ・証人として出廷した被害者の母親は、リハビリについて、「娘は一生懸命ですが、『こんなの全然治らない』と泣いたり、傷を見ては悲しんでいます」と証言した。被告に対しては「身勝手な言い分と行動で娘の心も体も傷だらけにされた」「娘はたまたま生き残っただけで殺人事件だと思っています」「娘が安心して暮らせるような判決をお願いしたいです」と涙ながらに訴えたとの事。 |
第3回公判(2017年02月22日)
| <被告人質問> |
| 男は「プレゼントを返されて強い怒りを感じた」などと述べたとの事。 被告は特に感情的になることもなく淡々とした口調で、女子大学生に対して、なぜ怒りや悲しみを抱くようになったのかを語った。 |
| 事件前の心情について「被害者のツイッターにコメントしても、僕だけ返信が来なかった」「プレゼントを送り返され、悲しみと怒りがわいた」と説明。事件前に購入したナイフを持っていた理由は「お守り。精神的な心の支えにするためだった」としたとの事。 |
| 被告は初めて被害者に会ったとき、「思ったよりも小さくてかわいいなと思った」と語った一方、プレゼントを送り返されたことについて、「すごく悲しい気持ちになった。強い怒りを感じた」と話したとの事。その後、被害者に会おうとした理由については、「自分の中でモヤモヤしていたので、ちゃんと話してふんぎりをつけたかった」と述べたとのこと。 |
| また犯行当日、被害者に声をかけ、対応してもらえなかったことについて「贈った本と腕時計を返送した理由を聞こうと思ったが、話を拒絶され、絶望や悲しみを感じて刺した」と語った。その上で、犯行当時、何を考えていたか問われると、「何も考えていない」などと答えたとの事。さらにナイフで刺した後、被害者に対し「生きたいの?生きたくないの?」と声をかけたなどと述べたとの事。 |
| 被告は被害者を刺した後、「生きたいの、生きたくないの」と問いかけ、「『生きたい』と答えたように思ったので助けたいと思い、119番をした」と当時の状況を話したとの事。 |
第4回公判(2017年02月22日)
| <被告人質問> |
| 被害者に対して「申し訳ない、しかない」と述べた。その一方で、「ナイフはお守りとして買った」「『死ね』などのブログの書き込みは自分に向けたものだった」と述べた上で、「殺すつもりはなかった」と、被害者に対する殺意を否定したとの事。 |
| 検察官から、初公判では殺意を持って刺したとする起訴内容を全面的に認めていたことを指摘されると「黙秘します」と答えたとの事。 |
論告求刑公判(2017年02月23日)
| <被害者の意見陳述> |
| 34カ所刺された被害者は懸命のリハビリに励むが、後遺症の苦しみが続き「大好きだった歌うことも苦痛」と語った。 傷付いた心を「生きていて良かった気持ちと、傷だらけの自分を見て苦しくなる気持ちが毎日繰り返される」と表現したとの事。 また「犯人が夢に出てきて、また私を殺そうとする」という不安と恐怖でほとんど眠れないと述べたとの事。 |
| 陳述の後半、ついたてで囲まれた席で「思い通りにならないと殺そうとする。恨んで殺しに来る」「被告はまた同じことをする。野放しにしてはいけない」と涙声で訴えると、被告は「じゃあ殺せよ」と叫んだとの事。 被害者が「絶対に許してはいけない。今度こそ殺しに来る」と続けると、被告は再び「殺すわけがない」「殺すわけないだろう」などと声を上げ、裁判長から退廷を命じられたとの事。 |
| ついたて越しに行われた意見陳述で、被害者は「(被告は)ファンではなくストーカー。大切に積み重ねた時間を奪われた。傷のない元の体を返してほしい。悔しくて許せない」などと時折言葉を詰まらせながら思いを訴えたとの事。 |
| <検察側論告> |
| 「一定の計画性があり殺意も強固。類例のない悪質性、反社会性がある」などと指摘し、懲役17年を求刑したとの事。 |
| 弁護人は「被害者と話ができないことに絶望し、好意が怨恨(えんこん)に変化した衝動的な犯行」と主張したとの事。 |
判決公判(2017年02月28日)
裁判員裁判で、東京地裁立川支部は2月28日、懲役14年6月(求刑・懲役17年)を言い渡した。
| 1)裁判長は「一方的な恋愛感情に基づく逆恨みの犯行で、酌むべき動機は一切ない」「理不尽な犯行に巻き込まれ、シンガー・ソングライターとしての活躍が困難となった被害者の処罰感情は強い」と述べ、懲役14年6月(求刑懲役17年)を言い渡したとの事。 |
| 裁判長は「臓器などが集中する部位を34カ所も刺すなど犯行態様は危険かつ悪質だ」と指摘、一定の計画性があり殺意は非常に強固だとした。 被害者は心的外傷後ストレス障害(PTSD)で日常生活に困難をきたしていると述べ、量刑について「最も重い部類に属するべきだ」と説明したとの事。 |
| 裁判長は判決後、裁判員からの言葉として「被害者の夢を奪った重大さを自覚してもらう必要がある。自分をコントロールし、ルールを守って社会で生活することを、身に付けてください」と述べたとの事。 |
| 2)裁判で検察側は、事前にナイフを購入していることなどから「一定の計画性があり、強い殺意があった」と主張。 「他に類を見ないほど悪質で、反社会的な犯行」として、同じような事件でのこれまでの量刑にとらわれるべきではないとした。また被害者の代理人弁護士は、無期懲役にするべきだと訴えていたとの事。 |
| 弁護側は、犯行直後に被告が119番通報していることなどを挙げ、「衝動的な犯行で計画性はない」と反論。 同じような刺傷事件での刑の重さを考慮すべきだと主張していたとの事。 |
| 3)判決前に被告に最終意見陳述の機会が与えられ、「被害者やご家族にご迷惑を掛けた上、被害者の意見陳述中に大声を出して怖い思いをさせて申し訳ない。被害者には二度と近づかない。刑務所でまっとうな人になりたい」などと述べたとの事。 |
| 4)弁護側は「明確な殺意や計画性はなかった」と情状酌量を求めたが、判決は「殺意は非常に強固。計画性も認められる」と指弾。一方で前科がなく、犯行事実を大筋で認め、謝罪や賠償を申し出ていることを考慮し、求刑から減刑したとの事。 |
| 5)裁判長は「被害者の夢を奪った重大さを自覚し更生してほしい」と説諭したとの事。 |
控訴(2017年03月03日)
殺人未遂罪などに問われた無職男性被告(28)が3日までに、懲役14年6月とした東京地裁立川支部の判決を不服として、東京高裁に控訴したとの事。
被害者側も控訴の意向だったようですが、被告側も控訴したようですね。
検察側が控訴するのは被害者の意向もあるので、可能性は高いと考えていましたが、被告側も控訴するというのは、「刑が重すぎる」と言う事なんですよね。
罪を認めて刑を受け入れるって事じゃないので、やはり、事件とは向き合ってないんでしょう。
それは置いといても、控訴するのは被告側には不利になる可能性が高いと思います。
理由としては、一審判決で殺意は認定されており、更に、減刑される要素は全て認められているでしょう?
被害者に対する謝罪と賠償、それ以外に減刑する要素ってあるのかな?
逆にそれら減刑要素の評価が下がる場合もあって、そうなると、刑が重くなる可能性もありますね。
気になるのは119番通報した事による減刑分の評価がどうなんだろなーと言うあたりですね。
最後に瀕死の被害者に「生きたいか?死にたいか?」と聞いてますよね。
もし、「死にたい」と言えば、そのまま通報しなかったのではないの?
それに、最初から助けるつもりなら、そんな質問をする必要はないからね。無条件で119番通報しているはずです。
なので、死んでも構わないと言う未必の故意はあった。まー、殺意は今回認定されているわけですが・・・
なので、119番通報はただの「偶然」あるいは「気まぐれ」なんじゃないの?と言う印象です。
もっとも、求刑が17年に対して判決14年6月なので、その差、2年6月でしかないですから。
2審で量刑が変わるにしても、プラスマイナス1年程度の範囲なのかな?と思いますね。
一審判決確定(2017年03月29日)
東京都小金井市で音楽活動をしていた女子大学生(21)を刺して重傷を負わせたとして、殺人未遂罪などに問われ、一審東京地裁立川支部で懲役14年6月の判決を受けた男性被告(28)が、控訴を取り下げたとの事。
取り下げは3月29日付。
検察側は控訴しておらず、一審判決が確定したとの事。
控訴を取り下げましたね。
控訴しても、これ以上の減刑を期待できないと言う判断なのか?
それとも、罪に向き合い、罪を受け入れたと言う事なのか?
公判中の報道をみると、罪を受け入れると言う印象では無いのですが・・・どちらだったのかな?
この後の服役生活の中でさらに心境の変化があるでしょうが・・・良い方向に変化して、更生できると良いのですが・・・あとは結果を待つしかありませんね。
はたして、この裁判の結果が本当に妥当な物だったのだろうか?と言うのは疑問として残りますね。
控訴して2審での判決も見てみたかったのですが、残念です。
ASKAの感想と考察
こんなところですね。
予想通りの判決でしたね。求刑が17年なので、1割引きで約15年と言うところですね。
でもなー、被告は15年経てば、元の生活に戻るけど、被害者は15年経っても、元の体には戻らないんだよね。
死亡するよりは罪は軽いよねっていう、杓子定規な印象は否めないですね。
でも、現行の法律の枠の中で考えたら、そうするしかないのかもしれませんけどね。
謝罪は反省が無くてもできるからね。そして、賠償と言っているけど、ちゃんと払うのか?ってのも問題ですよね。
とりえあず、本当に罪と向き合っているかどうかは、控訴するかと言うところに表れるかな?
約15年と言うのは被告にとっては妥当な数字かと思います。
争点の殺意は認定されていますが、ここを崩す証拠や証言は出せないと思います。
凶器は事前に準備して、「死ね、死ね、死ね」と言いながら刺して、34カ所も刺してる。
これで、殺意を否定するのは無理でしょ?
被告側としては、これ以上軽くなる要素は無いと思いますね。
一方で、検察側としては量刑を不服として、控訴する可能性が高いかな?と思いましたが、検察側は控訴せず、弁護側が控訴しましたね。
私としては、これまでもストーカー事件が数々起きていて、酷い事件もありました。
ストーカー事件全体の抑止効果を狙って、もう少し重い刑にしても良かったと思いますね。
さて、最終的に弁護側が控訴を取り下げて、一審判決が確定しました。
取り下げた理由が分かりませんが、罪に向き合ったのか?それても、逆に刑が重くなる可能性もあるから、ここで妥協したのか?そのあたりはわかりませんね。
この公判を通して、印象に残ったのが被告人の人格的なゆらぎみたない物を感じました。
事件の最中は高圧的に上から目線で被害者に接しています。公判中も、被害者の意見陳述に「じゃあ殺せよ」「殺すわけがない」と真逆の事を叫んで退廷させられたり。そして、認めていた殺意を否認したり、最終意見陳述では被害者に謝罪したりしてますね。
その一方で、量刑が重いと控訴しては、控訴を取り下げたりと、なんとも、横振れが大きい印象です。
それは、被告人自身が精神的に未熟な為と思えますが、年齢が28歳です。出所時は44歳ぐらいでしょうか。本当に更生できるのか?はこれからの被告人自身にかかっているんでしょうね。
最後にこの事件では、幾つか警察側のミスが出ています。
1)事件時の通報時に位置を確認せつずに、被害者の自宅に警察官を向かわせたこと。
2)被告が事件の半年前の12月に滋賀県で事件を起こしていたが、その情報を武蔵野署が把握していなかったこと。
3)被告が事件の3年前にも別のアイドルに対する脅迫の事案をデータベースに入力する時に、被告の名前を入力漏れしていたこと。
2)と3)も正規に対応していれば、この事件の緊急度、危険度が数段上の判断がされる事になって、もしかすると、警察からの被害者のアドバイスの内容や、警備内容も変わっていた可能性があります。タラレバですが、その結果、この事件は防げたかもしれないんですよね。
警察自身がこれらのミスに対して検証して、対策すると言う事なので、その対策に期待したいところではあるのですが・・・
ストーカー事案の件数が増えすぎて、現場が対応できないと言う事にはならないようにして欲しいですね。
その為であれば、税金を使うのもやむを得ないと思います。

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