(記事作成:2026年08月06日)
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公判情報
一審初公判(2025年12月10日)
| 1)裁判長から2件の事件について問われると「はい。空気を注入していません、殺害していません」と事件への関与を否認し無罪を主張した。 |
| 2)2020年5月に死亡したSKさんについての審理が行われた。 |
| 3)検察側は冒頭陳述で、 A)SKさんは死亡する直前まで心身に不調はなく、体内に空気を注入される以外の原因で死亡した可能性は認められないと主張したとのこと。 B)犯行には、注射器の筒、シリンジが使われたとみられているが検察側は、SKさん死亡後に介護士が被告のバッグの中に、本来所持する必要がないシリンジ2本が入っていた事を確認したと指摘したとのこと。 C)犯行時間帯にSKさんの部屋を出入りしたのは被告だけで、ほかに犯行可能な人物はいないと主張したとのこと。(「午後3時20分に、被告人がSKさんのいる102号室に入るのを別の介護士が目撃した」SKさんの急変したのはこの10分後) |
| 4)弁護側は、SKさんには脳出血の後遺症や高血圧、糖尿病などの持病があり、容体が急変し、搬送先の病院で死亡したあと、解剖が行われていないことを指摘したとのこと。 弁護側は「解剖をしないと正確な死因の判断は困難」、「心臓の病気が原因でなくなった可能性がある」との医師の証言を上げたうえで、「証拠が乏しいのに想像を巡らせて殺人事件にすることは許されない」と無罪を主張したとのこと。 |
一審第2回公判(2025年12月11日)証人尋問(SKさんの応急処置をした女性看護師)(施設長の常勤医)
| 1)殺人などの罪に問われた同市、無職、被告(39)の裁判員裁判第2回公判が11日、水戸地裁で開かれた。 |
| 2)2020年5月に死亡したSKさんについての審理が行われた。 |
| 3)証人尋問で女性は、赤間被告がSの部屋へ点滴の確認に行き、5分後にナースステーションに戻り「顔が青白い」と報告したと説明。慌てた様子はなく、その後、体調不良者の対応に本来必要なバイタルセットも持たず、「血圧計だけを持って部屋に行った」と証言したとのこと。 |
| 4)女性が被告に応急処置と応援要請を頼むと、「AEDがどこか分からない」「ナースコール押せばいいじゃないですか」と話していたと述べたとのこと。(焦っている様子もなく落ち着いていたと話したとのこと) |
| 5)裁判員から女性に「被告がSKさんの部屋に入ってから他の人の出入りがあったのか」と問われると、「はっきりわかりません」と証言したとのこと。 |
| 6)施設長の常勤医も出廷し、事件前のSKさんの健康状態は「命に別条はなかった」と証言。心臓病で亡くなった可能性を主張する弁護側から入所時の診断書の評価を問われ、「心臓は少し大きめだったが、測り方で前後する」と話し、正常と判断したとのこと。 別の報道では 容態が急変する前のSKさんの様子について、「糖尿病や高血圧など問題なく、命に全くかかわらない状態だった」と明かし、容態の急変については「内科医として40年活動するなかで、こんなことはなかった」と証言したとのこと。 |
一審第27回公判(2026年02月24日)論告・弁論
| 1)殺人などの罪に問われた元職員で同市、被告(40)の裁判員裁判第27回公判が24日、水戸地裁で開かれた。 |
| 2)2020年5月に死亡したSKさんについての論告が行われた。 |
| 3)検察側は、特殊な手口であり、器具の扱いに慣れた看護師の犯行の可能性が高いと主張。当時、被告以外にSKさんの部屋に入った人がいない点や、事件後に被告がロッカー内にシリンジを所持し、その理由についてうそをついた点などを挙げ「どれか一つの事実が決定打ではなく、総合的に検討して判断するべきだ」と訴えたとのこと。 |
| 4)死因に関しては、専門医の証言などを踏まえ、外部から多量の空気を静脈内に注入できるのは「腕の点滴用チューブを介したルートしか考えられない」と指摘。直近の健康診断で正常だったSKさんに、急死するような体の不調はなく「空気塞栓以外の原因で死亡した現実的可能性は認められない」と主張したとのこと。 |
| 5)弁護側は、司法解剖が行われておらず「死因は何ら証明されていない」と反論。SKさんには半身まひなどがあり、血栓が肺動脈に詰まる「肺塞栓」などで病死した可能性があると主張したとのこと。 |
| 6)部屋に入る被告を見たという職員の目撃証言については、供述に変遷があり「信用できない」と主張したとのこと。 |
| 7)被告の意見陳述 「私は空気を注入していませんし、殺害していません」とあらためて否認したとのこと。 |
一審第28?回公判(2026年03月12日)
| 1)殺人罪などに問われた元職員被告(40)の裁判員裁判の公判が12日、水戸地裁であった。 |
| 2)2人目の死亡者、YSさん=当時(76)=に関する審理 |
| 3)検察の冒頭陳述で司法解剖の結果などから、YSさんの体内に外部から空気が入ったことが確認できたとした上で、死亡前のYSさんの容体に問題もなかったと主張したとのこと。 |
| 4)職員仮眠室で見つかったシリンジ(注射器の筒)の付着物から被告のDNA型が検出されたと指摘。YSさんの容体が急変する前、「被告がYSさんのそばでシリンジを動かしていた」との目撃証言があるとも訴えたとのこと。 |
| 5)弁護側は「高齢の入所者が亡くなった出来事で、殺人事件ではない」と反論。YSさんには持病があり、「体は徐々に弱っていた」とし、被告がシリンジに触れたのは、点滴の異常に気付いたからだと主張したとのこと。 別の報道では 「点滴の異常に気がつき、シリンジで詰まっていないかを確認しただけ」などと反論した。 |
拘留取り消し(2026年04月23日)
| 1)2件の殺人罪などで起訴され、無罪を主張して公判中の被告(40)について、水戸地裁が、このうち1件に関し被告の身体を拘束する「勾留」を取り消す決定をした。 |
| 2)弁護人によると4月23日になって、1人目に関する殺人罪での勾留を、裁判官が職権で取り消したとのこと。 |
| 補足)もう1件に関する勾留の効力が続くため身体の拘束は続く。 |
一審第N回公判(2026年05月18日)被告人質問
| 1)殺人などの罪に問われた元職員で同市、被告(40)の裁判員裁判が18日、水戸地裁(山崎威裁判長)で開かれた。 |
| 2)弁護側が黙秘権を行使し、弁護側と検察側双方が質問を行わなかった。 一人目の被害者の審理に続き、二人目の被害者の審理でも黙秘した。 |
| 3)弁護側は証拠調べで、被告の行動記録を記した警察の捜査資料を読み上げ、「デブ帰宅」「ぶた一人で外出」などの表現が書かれていたことを指摘したとのこと。 |
| 4)証拠採用の合議では、被告の生理用品に付着していたDNA型の鑑定結果を採用した。弁護側は採用決定に異議を申し立て、「無令状の秘匿撮影を行い、違法捜査の末に取得したごみの証拠能力は認められない」と主張したが、裁判長が異議を棄却。2人目の被害男性についての証拠調べを終えたとのこと。 |
| 補足)県警は被告の行動確認のため、YSさんが亡くなった10日後の2020年7月16日、被告のアパート近くにカメラを取り付けた。撮影は被告が別件で逮捕された翌日の21年11月22日まで約1年4カ月続いたとのこと。 検察側は撮影の目的について、被告の交友関係や動機の解明に加え、証拠物と被告のDNA型を調べる上で被告のごみを収集する必要があったと説明。撮影範囲もアパート外観やごみ置き場などに限られ「目的は正当で設置状況も妥当だった」と適法性を主張したとのこと。 弁護側はプライバシーの侵害を主張し、「長期間、明らかに無関係な人物も撮影していた。任意捜査の限界を超えており違法だ」と反論し被告が捨てた生理用品から採取した血液のDNA型鑑定結果は「証拠能力がなく証拠から排除すべき」と主張した。 |
一審第N回公判(2026年05月21日)論告・弁論
| 1)殺人などの罪に問われた元職員で同市、被告(40)の裁判員裁判公判が21日、水戸地裁で開かれた。 |
| 2)2人目の被害者とされるYSさん=当時(76)=に関する論告 |
| 3)検察側は「多数の間接事実を総合的に評価すれば、検察が主張する事実が存在したといえる」と主張。YSさんの容体が急変する直前、被告がベッド脇で注射筒を動かしているのを施設職員が目撃し、施設内で見つかった注射筒には被告のDNA型と整合するものが付着していたと指摘したとのこと。 |
| 4)死因についても、司法解剖の所見や心不全の可能性を否定する専門家の証言から「ほかの原因で死亡した現実的可能性はない」と強調。動機に関しては「被告が語らない以上は不明」としつつ、職場への反感から犯行に及んだとの見方を示したとのこと。 |
| 5)弁護側は「死因の確定は困難」とした解剖医の証言から「慢性心不全の増悪で死亡した可能性は排斥できない」と反論し、事件性を否定。体内の空気は致死量を大きく下回るため、検察の主張には「合理的な疑いが残る」と述べ、職員の証言に関しても「『注射筒をチューブに接続した』というものではなく、殺害行為の目撃証言ではない」と主張したとのこと。 |
| 6)被告の意見陳述 「私は空気を注入していませんし、殺害していません」と無罪を主張した。 |
一審論告休憩公判(2026年05月22日)
| 1)殺人などの罪に問われた元職員の被告(40)の裁判員裁判が18日、水戸地裁であった。 |
| 2)検察側は「殺害しやすい状況の人を無作為に選んでおり悪質だ」と述べて、無期蝶駅を求刑した。 別の報道では 「毒物等を用いていないため自然死と判断される可能性が非常に高い、完全犯罪を狙った大胆かつ狡猾な犯行。理不尽で、ある意味で無差別的といえる殺人」 |
| 3)弁護側は最終弁論で、赤間被告に2人を殺害する動機はないとし、「不確かなことで処罰するのは許されない」と主張した。 |
一審半血公判(2026年07月08日)
| 1)殺人などの罪に問われた元職員の同市、被告(40)の裁判員裁判が、水戸地裁は7日あった。 |
| 2)裁判長は、2件の殺人罪のうち1件について「他殺だが、被告を犯人とするには合理的な疑いが残る」として無罪とし、もう1件は有罪として蝶駅20年(求刑無期蝶駅)の判決を言い渡した。 |
| 3)判決理由で裁判長は、SKさんの体内に致死的な空気があったことから「ほかの疾患が死因になった可能性は現実的でない」として他殺と判断。空気を入れる方法は点滴ルート以外にないとしたものの、「(注入に)シリンジ(注射筒)を用いたことを裏付ける証拠はない」として検察側の主張を退けたとのこと。 別の報道では 「SKさん事件については犯罪の証明がない」 同僚の目撃証言については「記憶違いや勘違いなどが含まれている可能性を否定することができない」としたとのこと。 |
| 4)また、SKさんの容体が急変する直前に被告が部屋に出入りするのを見たとする同僚の証言については、供述に変遷があるとして信用性を疑問視。証拠上認められる事実関係を踏まえると、犯人は「職員の誰かである可能性が非常に高いというにとどまる」としたとのこと。 |
| 5)死亡したYSさん=当時(76)=の事件については、被告がベッド脇でシリンジを押し引きする様子を見たとする同僚の目撃証言や、シリンジに被告のDNA型が付着していた点などを重視し「被告が空気を注入していなければ合理的に説明できない」と殺害を認定。点滴に異常があったとする弁護側の主張を退けたとのこと。 |
| 6)裁判長は量刑理由で、点滴処置を受けている人を狙った「無差別的な殺人に近い」と指弾。自然死に見せかけるような犯行について「医学的知識を悪用し、周囲に発覚しにくいやり方で悪質」と述べたとのこと。 |
| 7)裁判長は「被告人は記録を見るなどして被害者の状況を確認したり、犯行に必要なシリンジ等を準備したりと、事前に一定の準備をしていたことがうかがわれる、ある程度、計画的なやり方といえる」と述べたとのこと。 |
半血後の記者会見
| 裁判員の40代女性会社員は「動機を知るためには話してほしかったが、権利なので仕方がないというモヤモヤした感じはあった」と話したとのこと。 |
| 別の40代女性会社員は「誰がどんなことを言ったか覚えきれず難しかった」と話したとのこと。 |
| 補足) 証人尋問は132人、公判は54回 |
控訴(2026年07月17日)
茨城県古河市の介護老人保健施設で2020年、入所者2人に空気を注入し殺害したとして、殺人と窃盗の罪に問われた元職員女性被告(40)について、水戸地検は17日、1人に対する殺人罪を認めず懲役20年とした一審水戸地裁判決を不服とし、控訴した。被告側も既に控訴しているとのこと。
ASKAの感想と考察
裁判員の方々、お疲れ様でした。54回、7ヶ月はさすがに長いですね。
死亡した被害者が2名いて、2件目の事件については、目撃情報(シリンジを操作していた)とDNAが決め手となって有罪となった印象ですね。
逆に1件目の事件については、直接行動していた時の目撃情報がないし、被告の犯行を示すような物的証拠も無いのが理由で無罪となった印象です。
1件目については控訴しているので、検察側が新しい証拠や主張などができるのか?がポイントになりそうですね。
それは控訴審にまかせるとして、社会としてはこのような事が無いように、やはり防犯カメラを設置する方向になりそうですね。
ただ、病室に設置となると、プライバシーの問題が出てきて設置が難しくなりそうですね。
防犯と犯人逮捕の決め手を選ぶのか?プライバシーを選ぶのか?どちらを優先するか?と言うことになりそうです。
例えば、病室に防犯カメラがあるのであれば、病室内のカメラのある場所での犯行には強いブレーキがかかると思います。なので、今回の事件は防げたかもしれません。
しかし、犯罪者は当然、逮捕されないよう悪知恵を働かせるわけですから、カメラの無いところ、あるいは、カメラに写っても疑われない方法で犯行を行うようになるのでしょうね。
とは言え、一部でも防げるなら防ぎたいと思いますね。
一方で、自分の病室がカメラで撮影されていると思うと気分は良くないですね。
ここは、テクノロジーで解決できないのかな?AIで患者側の映像は自動でモザイクをかけるとか、その映像自体を病室で患者自身が見れるようにして、患者自身で撮影するかしないかを選べるようにするとかかな?
そうなると、今回は病院だけど、では学校の教室とか、校庭とか、職場とかも事件が起きる可能性があるなら、録画すると言う方向になって、どこもかしこも暴亀だらけの社会になってしまうのかもしれませんね。
どこかで見たSF映画の社会のようですね。
まてよ、全体を撮影する必要は無いので、病室ではなく、看護師や医師の側にカメラを装着すると言うのもありですね、こちらのほうが現実的かな?でも、処置中の患者が撮影されることは同じだから、プライバシーの保護にはなってないですね。
結局のところ、誰も悪い事はしないよね。という性善説ではなく、犯行が行われる前提でその防止策を考えなければならない時代になったと言うことかもしれません。
それから司法解剖は必要ですね。必要だけと人手が足りないのが現実かな。
亡くなったお二人のご冥福をお祈りします。

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